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摂食障害 症状レベルごとの事例と対応アドバイス 母と子の関係に焦点を当てた本

「母と子で克服できる摂食障害―過食症・拒食症からの解放」

母と子で克服できる摂食障害

  • 本の題名:母と子で克服できる摂食障害―過食症・拒食症からの解放
  • 著者:福田俊一 増井昌美
  • 出版社:ミネルヴァ書房
  • 2,400円(税別)
  • 2011年1月20日

こちらの本はamazon.co.jpで購入できます。

母と子で克服できる摂食障害―過食症・拒食症からの解放 目次

はじめに

序章 摂食障害(拒食症・過食症)とは?

  1. 摂食障害(拒食症・過食症)はなぜ起こる?
  2. 拒食症とは?
  3. 過食症とは?
  4. 摂食障害(過食症・拒食症)の子とその家族
  5. 摂食障害(過食症・拒食症)は、なぜ「母と娘」なのか?
  6. 治療の枠からはみだしたように見える父親
  7. 子どもの成長をうながすのも大切なポイント
  8. 家庭崩壊につながる摂食障害の恐さ

1章 はじめが肝心、早期解決をめざそう(初期:発症~二年目くらいまで)

  1. 摂食障害(過食症・拒食症)はこじれやすい
  2. 初期のころによく見られる母娘のトラブル事例(過食症)
  3. 拒食症では初期でも命にかかわる問題点が浮上
  4. お母さんの疑問・不安にお答えします―「お母さん、こんなことに気をつけて」

2章 「少しこじれだしたな、早くなんとかしなければ」(中期:三~五年目くらいまで)

  1. 中期のころによく見られる母娘のトラブル事例(過食症)
  2. 過食症の注意点―ここを踏ん張れば、悪化は防げます
  3. 拒食症の注意点―拒食症から過食症へ移行する場合も

3章 こじれて長期化していても適切な対応で克服できる(長期化:六~一〇年以上)

  1. 長期化してこじれた摂食障害(過食症・拒食症)克服への道
  2. 「あきらめないで。こじれていても良くなった人がたくさんいます」

おわりに

  • DSM-Ⅳ-TRによる摂食障害の診断基準
  • チェックリストで見つける摂食障害―適切な対応で悪化を防ぎ、早期解決を可能に
  • 「長びく摂食障害、でも良くなるサインを見つけましょう」

執筆を終えて

■ 福田俊一(所長、精神科医)

我々は毎日摂食障害の解決のために、たくさんのクライアントの方々とともに戦っています。そのなかで重要なポイントは、その人本来の持ち味と今の生き方のギャップです。そしてそのギャップを埋めて行くのに一番効果があがる方法が、子どもにとって身近な母親との関係なのです。母と子の関係のなかには、解決のための糸口がいっぱいあります。またここがこじれると、なかなかうまくいかず症状がこじれることもあります。

そこで今回はズバリ、「母と子の関係」に焦点を絞って本書を執筆しました。

「母と子の関係」は非常にデリケートな問題です。子の立場にたつと「親が悪い」ということになりがちだし、親の立場にたつと「子どもに問題があって、そこをなんとかしないと・・」となります。本書の執筆にあたっては、片方に偏らないように気をつけて書きましたが、簡単なことではありませんでしたし完全にうまく書けたとも言い切れません。

この本が摂食障害(過食症・拒食症)でお困りのご本人や家族の方々、また治療の現場に携わっておられる関係者の皆様のお役に少しでも立てたらうれしく思います。

■ 増井昌美(摂食障害専門セラピスト)

本書のテーマを企画発案し、執筆を始めてから二年がたちました。発売日の1月20日過ぎ、「並んでるでるかな?それともまだ・・」と内心ドキドキしながら紀ノ国屋書店に歩を早めました。「ありました!」心理のコーナーにオレンジ色の表紙の「母と子で克服できる・・」の本書が平積みにされてありました。「やれやれ、やっと一冊の本を出すことができたんだな」と、正直ホッとしました。

摂食障害の症例は当センターにおいては、年々急上昇といってもいいくらいクライアントの数が増えています。カウンセリングで治療を進めるプロセスで、本症が抱えるトラブルが次々と浮き彫りにされてきます。多くの症例のなかからテーマを絞り込み、それに合った資料を収集し執筆へと駒を進めていきます。今回は摂食障害によくみられる「母と子の間によく起こるトラブルと解決へのヒント」を集めてみました。

「子どもが摂食障害になるのは、母親が悪いからですか?」という質問を受けることがよくあります。が、決してそうではありません。本書をお読みいただけたらおわかりになることでしょう。

摂食障害に悩む人たちや関係者の皆様に本書をお読みいただだき、立ち直るヒントをつかまれたらこれほど嬉しいことはありません。

摂食障害は治る

症状レベルごとの事例と対応アドバイス

序章 摂食障害(拒食症・過食症)とは?

1章 はじめが肝心、早期解決をめざそう      (初期:発症~2年目くらいまで)

2章 「少しこじれだしたな、はやくなんとかしなければ」        (中期:3~5年目くらいまで)

3章 こじれて長期化していても適切な対応で克服できる      (長期化:6~10年以上)

摂食障害(拒食症・過食症)の背景には、母と娘の愛憎ドラマが多く見られます。二人がカウンセラーの導きや父親のサポートを得て葛藤を乗り越え、分かりあい支えあう関係に生まれ変わることで、驚くほど症状は良くなっていきます。

本書では、こじれる前の初期段階の事例から始まり、早く手を打てば良くなる段階の事例、そして長期化していても克服できることを示す事例を紹介し、症状レベルに合われた適切な対応やアドバイスをまとめています。長い年月摂食障害にかかっていても、治る可能性は十分にあるのです。

(本書の帯と表紙裏より)

子どもの心を育む教師と親のために

摂食障害には、体型へのこだわり、ストレス、家族関係ほか、いくつかの背景があるといわれる。本書では、母娘の関係に焦点を当てて過食・拒食を理解するとともに、症状レベルごとに事例をあげて、対応方法を紹介する。摂食障害の最終的な目標は「将来への生きがいさがし」にあると本書は説く。そのプロセスを母と娘が共に支え合って歩んでいけるような、「親子関係の再生」をどう図るか。本人と家族の抱える葛藤に寄り添うカウンセリングの実際を伝える。

児童心理 2011年4月号 NO.929 child study book guide より)

「将来への生きがい探し」へのカウンセリング

近年、摂食障害には発症年齢の低下傾向があり、小学4年生以下でも発症するケースが多いのだという。また、摂食障害になる子どもは「家族思いのいい子が多い」ため、治療には身近にいる家族のサポートが欠かせないとされているが、近年の傾向はそれをより強調することになっている。

本書は、まさにこのことをテーマにした本である。

構成はシンプルだ。序章で摂食障害の説明を行い、以下、症状の程度ごとに3つに分けた章で、事例を詳細に解説する。すなわち、一章では比較的容易に治癒した初期段階、二章では、こじれ出したけれど早く手を打ったことで回復に向かう段階、三章では、こじれて長期化したけれども克服した段階の事例である。それぞれに、カウンセラーと患者、カウンセラーと親、親と子の対話を示し、子どもを接するときの具体的な対応とポイントや、立ち直りのサインが書かれている。

著者は、薬を処方せず、カウンセリングを主としたアプローチをとって27年になる治療センターで、うつや不登校を含めた心の病を治療する精神科医だ。摂食障害を、親子関係すら希薄になってきた現代社会が生み出した病理の一つとするなら、著者が指摘するように、「特に摂食障害のような家族を巻き込むことの多い複雑な症状(の治療)にカウンセリングは適している」のだろう。

本書は、親子がコミュニケーションをとっていくなかで、わかり合い支え合い、克服するまでの過程を、失敗も含めて包み隠さず事例で紹介しているが、過食も拒食も「心の不足感」からくるものであることがよくわかる。そして何より、子どもの摂食障害は親の心の問題でもあるということが浮かび上がってくる。このように感じさせるところが本書の妙であり、事例(=著者の実践)の力だといえる。

中山書店 EB NURSING vol.11 no.2 2011 Books より)

 

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拒食症・過食症の症状レベルごとの事例と対応アドバイス

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拒食症の本の紹介「克服できる過食症・拒食症」 長期化しても治る道はある

克服できる過食症・拒食症

こじれて長期化した過食症・拒食症でも治る道はある

克服できる過食症・拒食症

  • 克服できる過食症・拒食症 こじれて長期化した過食症・拒食症でも治る道はある
  • 福田俊一 精神科医・カウンセラー 増井昌美 摂食障害・過食症専門セラピスト
  • 星和書店
  • 1995円(税込)
  • 2005年5月9日

「克服できる過食症・拒食症 こじれて長期化した過食症・拒食症でも治る道はある」概要

淀屋橋から摂食障害の本が出ました。この本は前作「過食症と拒食症 ― 危機脱出の処方箋」の姉妹編です。中身をかいつまんでご紹介しましょう。

本題名:『克服できる過食症・拒食症』

著者:福田俊一(淀屋橋心理療法センター所長、精神科医)、増井昌美(同センター過食症専門セラピスト)

副題:こじれて長期化した過食症・拒食症でも治る道はある

帯の解説:あきらめたらあかん!過食症・拒食症にかかったことは、自分の本質に気づき、能力を伸ばすチャンス!

あくまで前向きに、本人の可能性や家族の力を信頼し、治療をすすめていくセラピストたち。「両親のみでも治療をスタートできる」という画期的な治療を行い、重症化した数多くの患者を解放へと向かわせている。新たな治療の可能性を示した、本人、家族、治療関係者必読の書。

英語タイトル:Is Full Recovery from Bulimia and Anorexia Nervosa Possible If They Are Chronic ?

内容のご紹介(目次から)

    • 第一章 あきらめたらあかん、こんな私でも治るんや!

1.十年以上にわたる拒食症でも治る 2.がんこな拒食症から立ち直る(25才、拒食歴10年) 3.拒食症から脱出する道に向かって

    • 第二章 過食症・拒食症と家族の関係

1.からみあう家族が症状に影響を 2.症例にみる親子のからみあい(25才、過食歴8年) 3.親は立ち直りの最大の協力者 4.子ども自身の成長をうながす

    • 第三章 「それでも治らない!」過食衝動との闘い

治りにくいタイプ1:「どうせまた元通りや」と、あきらめてしまう 治りにくいタイプ2:ストレス耐性が弱く、すぐ過食に逃げ込んでしまう 治りにくいタイプ3:良い子をめいっぱいやって、また息切れが 治りにくいタイプ4:なかなかはずせない良い子仮面 治りにくいタイプ5:母と娘の信頼関係が崩れやすいと 治りにくいタイプ6:良くなるとすぐ一人暮らしをしたいと言う 治りにくいタイプ7:できないことをすぐ過食のせいにする 治りにくいタイプ8:「過食は人生の汚点、悪」という考えにとりつかれている

    • 第四章 立ち直りの工夫と良くなるきざし

1.過食症でのよくなるきざし(初期から回復期にいたるまで) — 26項目 2.拒食症でのよくなるきざし(初期から回復期にいたるまで) — 21項目

    • 第五章 過食症・拒食症から立ち直った淀屋橋の卒業生

1.成人式を迎えて、振り袖姿でほほえむ悦子(17才、拒食歴1年) 2.司法試験をめざして受験勉強中(30才、過食歴15年) 3.過食症と不登校に苦しんだ五年間を乗りこえて、ぶじ高校を卒業(16才、過食歴2年) 4.暑中見舞いのなかで近況を聞いてみて(25才、拒食歴5年) 5.最後に「食事の習慣を取りもどしたい」と入院(23才、過食歴7年) 6.「大学に合格」の便りと写真が送られてきた(13才、過食歴1年) 7.九年間の過食症を克服し、OLとしてスタート(27才、過食歴8年) 8.アメリカの学校で日本舞踊を教えて活躍(26才、過食歴5年)

    • 第六章 これからの過食症・拒食症の治療

(付録 過食症が改善してきたかを確認するチェック・シート)

この本は、amazon.co.jp でも購入できます。

本の紹介 「克服できる過食症・拒食症」

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摂食障害の本 克服(治癒)へのヒントを紹介

「過食症と拒食症 – 危機脱出の処方箋」

摂食障害の本 克服のためのヒント

  • 過食症と拒食症 危機脱出の処方箋
  • 著者: 福田俊一 精神科医(当センター所長)

カウンセラー 増井昌美 摂食障害・過食症専門セラピスト

  • 星和書店
  • 1800円
  • 2001年12月10日

「過食症と拒食症 – 危機脱出の処方箋」 内容紹介

摂食障害へのエコロジカル・アプローチ藁にもすがる思いで来所する摂食障害のクライエント。かれらを危機から救おうと編み出したエコロジカル・アプローチ。家族を援助システムに組み込み、何気ない日常の場面から具体的なアドバイス、治癒への道のりを探り出していく。家庭のなかでも実践できる、長年の実績から積み上げた多くの危機脱出へのヒントをドラマ風に紹介した本である。

目次紹介 — 過食・拒食症の危機や脱出ヒントがこれだけでもわかる

第一章 親子の葛藤を乗りこえ、信頼関係をきずく

    1. 過食症と食べ物をめぐる親子げんか

1「私の目につくところに食べ物おかないで」 症例:「過食になって初期のころよくある親子げんか」16歳

2「治るの、治らないの、なんとかしてよ」 症例:「過食がすすんで子は親を責め、親は疲れはててという泥沼の状態」20歳

3「過食は自分の意志の問題」と気づく。適切な対応で良い方向に 症例:「食べたらいけない物は、しっかりくるんで名前書いといて」19歳

4「朝のすったもんだを救った専用冷蔵庫と鍵つきの冷蔵庫」 症例:「冷蔵庫がいつもからっぽになるまで止まらない過食」18歳

5「お母さん、食べだしたら止めてね」って言うけど 症例:「止めてね」と頼むから止めたのに、いつも親子げんか」16歳

6「過食の大敵「母親への依存」を抑えられるか否かが鍵」 症例:「過食の買い物をすべて母親まかせ・まるで女王様と召使い」15歳 症例:「毎日三度、母親の手作り料理をたいらげては吐く」27歳

    1. 拒食症は食べ物をめぐる命との戦い

1「ランチセッションに見る拒食「ガンコに食べないのはなぜ?」 症例:「食を拒否するのは私の生きがい、自己主張の砦よ」21歳

2「拒食症と約束」 症例:「体重30キロを割ったら入院です」と、きっちり約束を」17歳

3「拒食症家族の変わりにくさ」 症例:「うちの家族はゴムの壁。一度へっこんでもいつのまにか元に戻ってる」28歳

    1. 母親との関係が過食・拒食症の多くの要因に

1「しっかり母さんとおとなし娘のセットが多い」 2「子どもが厳しくなると、すぐメゲる母親の子も過食は治りにくい」 3「娘の成長の証としての境界線を、母親が飛び越えている」 4「穏やか家族にせっかく起きた波風を、母親が静めてしまう」 5「男性中心社会への反発心、家庭にいる両親のあいだで同じことが」 5「親子でも相反するタイプゆえに生じる補完性ストレスから過食に」

    1. 過食・拒食症におよぼす父親の影響

1「父親が恐くてなにも言えないストレスが、過食の引き金に」 2「血戸谷との関係を改善するために工夫したいくつかの事例」

    1. 晴天の霹靂、おとなしい良い子が突然過食に

1「母親に小さい頃のつらかった話しができるようになった」 2「母親とおもいっきりけんかして仲直り。過食もぐーんと減って」 3「私のことで家のなかに波風たたせたくない」から自己主張できるまで

    1. 過食・拒食症の子どもに第三者がからんでくると

1「母親との信頼関係を取り戻し、過食から立ち直る」 2「かたくなに親を拒否する心をとかした親子対談」 3「彼との同棲生活が過食によい良い影響を与えて」

第二章 過食・拒食症が引き起こすさまざまな心の病

    1. 過食症とうつ症状

1「過食のあとのうつ症状は、立ち直る可能性のしるし」 症例:「落ち込む自分を肯定できるかが鍵」20歳

2「うつ症状の早期発見と家族の注意点ー五つのポイント」

    1. 過食症と不安神経症

1「抑えるとよけい増える不安、しっかりと向き合って」 症例:「不安と向き合う力をつけよう」17歳

    1. 過食・拒食症とリストカット

1「母と娘の距離感を見直すことで、リストカットを防ぐ」 症例:「明るく頑張る子が突然」18歳

    1. 過食・拒食症と潔癖症

1「過食の後始末をせかされてから、手洗いがやめられず」 症例:「手伝わないことが悪化させない秘訣」16歳

2「潔癖症のサインを早期発見し、親として気をつける点

    1. 過食症と対人緊張

1「太った自分を見られるのがいやで、外にもでたくない」 症例:純粋で根が正直な人がかかりやすい」19歳

第三章 家族療法は過食・拒食をどうみるか

    1. 「過食・拒食症は成長のつまづき」

*過食・拒食症に陥る心の動きーやせ願望と家族関係 *本質の自分が芽をだし頭をもたげてくる *「おだやか家族」が子の成長をブロック *本音で話し合える家族への脱皮 *身近な人に自己主張できる力をのばす

    1. 過食・拒食症の治療に有効なエコロジカル・アプローチ」

*家族の協力が治療のカギを握る *過食・拒食症によく効くエコロジカル・アプローチ *過食・拒食症の家族療法はこうして

    1. 「これからの過食・拒食症の動向について

*あふれる情報の中で正しい選択を *家族関係の再構築と活性化をめざして

星和書店のホームページから本の注文ができます。

http://www.seiwa-pb.co.jp/index.html

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拒食症と食事内容:カロリーを気にして食べない娘

母親からの質問

【質問】

娘は今17才ですが、三年間拒食症が続いています。発症当時50キロあった体重は35キロまで減りました。お料理を作るのは好きで、家族のためにいっぱい作ってくれるのですが、自分では食べようとしません。「Kちゃんも食べないと」とか「ほらこれ、栄養あるよ。一つでも食べてごらん」といって、進めていたのですが一向に食べないばかりか、よけいかたくなになるような気がして。とうとう親も我慢できなくなって「食べないんだったら、せめて自分から栄養ドリンク剤くらい飲まないでどうするの!」と、怒ったように言ってしまいました。食べることに関しては、心配でも親は口をはさまないほうがいいんでしょうか?

【答 え】

「食べなさい」と言ったら、ますます反発して食べなくなるということも考えられます。言わなければ自分から食べるようになるかというと、拒食症の子にそれは期待うすでしょう。どこで押すのか、どこで引くのか・・なかなかデリケートな問題です。内科医で処方された栄養ドリンク剤は、一本500Kカロリーほどあります。食べない子にとっては文字どおりの命綱です。食べて欲しいところですが、「カロリー」という言葉を聞いたとたん、いっぺんに喉を通らなくなったという拒食症の子もいます。我々もケースバイケースで対応しています。

ただ「食べろ、食べない」の押し問答をしていても不毛地帯のようなもの。どれだけしても花を咲かせるのは難しいでしょう。

少しこの問題から目をそらして、子どもの全体像を見てみましょう。14才から17才というと年齢的に子どもから大人になるちょうど変わり目にきています。わりと自己主張が強かった子なんかは自然に脱皮して変わっていきますが、我が強いのに我を出しにくいという子の場合、ここらで止まって行き詰まってしまうことがよくあります。小さい頃から慣れ親しんだ自分のようにはできないし、かといってどうしていいかわからない、もやもやした気持ちでいることがよくあります。摂食障害とはこのもやもやしているうちにポコッとやせ願望にはまってしまったようなものです。このあたりで子どもから大人へ、脱皮ができるお手伝いが必要です。

子どもの体重がこれ以上下がったりしないよう、また体に不調はでていないか十分気をつけながらすすめていきます。そして親子のコミュニケーションがこじれないよう注意しながら、一番効果のあがる本質的なところを解決すべく着々と手を打っていきます。

拒食症と食事 食べない娘への対応

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ダイエットからの拒食症。「痩せる喜び」が「太る恐怖」に。

彼氏が「細い女の子が好き」とわかってダイエットを

美穂さんがダイエットを始めたのは今から1年前でした。そろそろ就職活動も始まり、大学の学生課に足を運んでいたときのこと。夢中で張り紙をみて受ける企業をさがしているとき、同じ系統の会社を探している彼と出あいました。話があい意気投合した感じで、しんどいはずの就職活動も弾みがつき楽しい体験になりました。

ある日いっしょにランチを食べているとき、彼が向かいのテーブルに座った女の人をチラチラと見ています。

「ねえ、細い子が好きなの?」 「えっ、うん。細いほうがかわいいよな」 「えー、そうなんだ!やせてる子がいいのだ」

美穂は彼の一言がやけに気になって…「そういえばあの子、腕も足も細いなー。ウエストだってしまってるし。それに比べてわたしはねー、ダメだな。よーし、私もダイエットしてやせよう。あの人よりスマートになってみせるぞ!」そう決心した美穂さんの目は輝いていました。

1キロやせ、2キロやせ…やせる喜びにはまりだした美穂さん

それから美穂さんのダイエットがはじまりました。油物や肉類などカロリーの高い食材は極力さけます。ご飯もお茶碗一杯以上は食べないと決めました。

朝はサラダとお味噌汁。「ご飯たべないの?」というお母さんの声がうっとおしく聞こえます。以前から食事に関してはけっこう口やかましいお母さんでした。ランチは自分でつくった小さなおにぎり2個。「ウワーッ美穂の弁当箱、小さいねー。そんだけで足りるの!」という友人の声も無視して、美穂さんの「ダイエットしてやせるんだ」という決心はゆるぎませんでした。

1キロやせた。2キロやせた。だんだんスマートになっていく自分の体を鏡に映して、美穂さんは内心うれしくてたまりません。今までの自分と違った自分に生まれ変わっていくような気がします。どこからかそんな自分に自信もわいてきました。やせていく美穂さんをみて、お母さんがこう言いました。「美穂、ダイエットもいいけどお肉やご飯も食べないと。体に栄養とらないと病気になるわよ」。美穂さんは「はーい、わかった。ご飯食べるから、少しだけよそっといて」と、素直にいいます。「お母さんに心配かけてはいけない。食べるふりをしてでも…」と、せいいっぱい気をつかっていました。

しかし美穂さんはだんだん食事が食べづらくなってきた自分に気がついていました。「食べたら太るのではないかしら。このやせる喜びは何にも代えがたい。誰が何と言ってもぜったいに手放してなるものか!」美穂さんの心のなかではこのような強い決心が次第に根付いてきていたのです。

一口のご飯がなかなか飲み込めず、吐き出してしまった

お茶碗をみるとたくさんごはんが入っています。「うわー、こんなにたくさん!でもがんばって食べないと。お母さんも見てるし、安心させてあげなくっちゃ」と思い一口ご飯をほりこみました。もぐもぐもぐもぐ…なんども噛み砕きはするのですが、飲み込めません。のどの奥がつまったように感じで、飲みこもうとすると戻してしまいそうです。「美穂ちゃん、どうしたのさっきから口のなかでかんでばかりいるじゃない。ごくんって飲み込んだらいいのよ、ほら」と、お母さんはせかします。

ご飯を飲み込むようせかされた美穂さんは、急いで飲みこもうとして思わず口の中にあったご飯を吐き出してしまいました。自分でもびっくりする行為でした。飲み込もうとしたのに、反対に吐き出すなんて。お母さんもびっくりして「まあ、美穂ちゃん、なんてことするの!」と、しかめっ面です。

美穂さんもここまできて「やせたい」と思って目分が始めたダイエットが、変な方向に行ってしまっていることに気がつきました。

やせる喜びが、いつしか「太る恐怖」になっていた

「食べて太ったって死ぬわけじゃないし。ぜんぜんかまわないのにな。それが恐くて食べられないのよ」と、美穂さんは心のなかでつぶやきました。彼氏も今では「美穂ちゃん、ダイエットやりすぎだよ。やせすぎてるよ」と、言います。しかしだからといって食べようとすると、太る恐怖がわいてきます。

お母さんの後押しに対して美穂さんは「体重が40kgになったらちゃんと食べるから。それまでそっとしといてほしい」と懇願しました。「40kgですって、美穂は身長160cmなのに、それじゃやせすぎじゃないかしら」と、お母さんは美穂さんの主張に「食べることの病気―拒食症」の心配がわいてきました。すぐにインターネットで専門家をさがしだし、当センターの摂食障害専門外来に来所しました。

「あれ、おかしいな」と思ったら、すぐ専門家に相談を

子どもの様子がおかしいと思ったら、美穂さんのお母さんのようにすぐに専門家に相談することをおすすめします。「今だけだろう。そのうち良くなるにちがいないわ」と、素人判断でもようながめしていると、拒食症の状態が進んでしまうおそれがあります。

美穂さんはお母さんの判断ですぐにカウンセリングを受けることができ、拒食症がこじれずにすみました。まだカウンセリングは続いていますが、とりあえず「太る恐怖」はしだいに落ち着いてきています。少しずつ食べられるようになり、「40kgが私の目標よ」という発言はしなくなりお母さんはホッとしています。

ダイエットからの拒食症(摂食障害)

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拒食症とは? 拒食症の診断基準(症状・体重など)

やせへのあこがれから強烈な「やせ願望」に

思春期のころ「ほっそりとした体つき」にあこがれ、ダイエットを始める女性が多くいます。「やせへのあこがれ」はきわめて正常なものですが、それがだんだんこうじてこだわりが強くなり「強烈なやせ願望」に変わっていくと拒食症への入口をくぐることになります。「スマートなかっこいい体になりたい」というあこがれとは違う強烈なものです。ただし小学生のころに発症した拒食症の場合は、自分の「やせ願望」に気づいていない子もいます。

拒食症の人はやせた時に感じた「スッキリ感」が忘れられず「やせることに生きがい」を感じたり、「これ以外に私の生きる道はない」という思いを信じ込んでしまったりします。その姿はまるで「やせ教の信者」であるかのような印象を与えます。

しかし最近は、あきらかに拒食症であってもやせ願望は認めず、「太りたくない」とだけ言う人もいます。

拒食症の発症年令は?

発症年令は近年下がりつつあります。「小学6年生の拒食症」ということで、我々も驚いていた時もありますが、昨年あたりから「小学4年生の拒食症」という事例もまれではなくなりました。

発症のきっかけはいろいろ

拒食症になるきっかけはその子(人)によっていろいろです。体育の時間跳び箱が飛べなかったから「もっと軽くならないと」と思ったりした子もいます。バレエの先生に一言「もっとやせないと、美しいシルエットにならないよ」と言われた一言が心にひっかかたり。「K子、このごろまーるくなってきたな。あんぱんマンや」とクラスの男の子にからかわれたとかで、甘い物をいっさい口にしなくなったという小学5年生の女の子がいました。その状態が続き、6年生のときに拒食症になり来所したケースもありました。

こんなちょっとした一言が子ども心にもひびいて、「やせなくては」という気持ちから食事の量をコントロールしたりとか、カロリーの少ない物を選んで食べたりするようになるようです。

やせたい気持ちはあるけれど、素直に認めない子どももいます。「食べなさい」と親に言われても「あしたになったら食べる」とか、「今はお腹いっぱいだから、後で食べる」と言ったりしてごまかしたりもします。拒食症の子どもは「お母さんに心配かけたくない」とか「食べたくないって言ったら怒られる」と、ケンカを避けたいという気持ちが強い場合もあります。

どんな子ども(人)がかかりやすいの?

拒食症の人の根っこには、強烈なやせ願望があるのですが、その頑固さには驚かされます。小さい頃から空気のよめる子、よく気がつく子、まわりの要望に的確に動ける子といった「良い子」に多くみられます。学校の先生に評価され、クラスのみんなから慕われて人気者だったりします。家では母親の手伝いもよくしてくれるし、弟や妹の面倒もみてくれる良きお姉ちゃんだったりもします。成績もよかったりしますが、とにかく「やりやすい子でした」と親御さんはよく言われます。

頼まれたらなんでも引き受けてくれるやさしい子。それだけに親御さんは「あの良い子が、なんでこんな食べない病気になってしまったのか、信じられません」という驚きの気持ちでいっぱいのことでしょう。

ただしこのような典型的な「良い子」像でないケースも最近は混じりはじめていますが。

わが子が拒食症であるか、見分けるのは難しいことも

拒食症は食を拒否する病気と言いましたが、子どもの場合は見分けることが難しいこともあります。拒食症になりはじめたころ、子どもは必ずしも食を拒否する気持ちを正直に出さないこともあるからです。家族には「食べたいと思っているの。少しでもいいから太りたい」と、心で思っていることと違うことを言ったりします。これは「お父さんお母さんに、これ以上心配をかけたくない」という気持ちが強くあるからです。このように拒食症の子どもには、親思いのやさしい子が多くみられます。

しかし心のなかでは絶えず「食べたら太るから食べたくない」という強い気持ちが渦巻いています。食べるふりをして後で吐き出したり、残したご飯をこっそり犬にやったりすることもあります。親の前では食べたふりをしているので、なかなか気づかないということもよくあります。

神経性食欲不振症(拒食症)の診断基準

【厚生省特定疾患・神経性食欲不振症調査研究班】

  1. 標準体重の-20%以上のやせ
  2. 食行動の異常(不食、大食、隠れ食い、など)
  3. 体重や体型について歪んだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など)
  4. 発症年令:30歳以下
  5. (女性ならば)無月経
  6. やせの原因と考えられる器質性疾患がない

「チーム医療としての摂食障害診療」診断と治療社(2009)より)

DSM-Ⅳ-TRの神経性無食欲症の診断基準では、次のようなことが明記してあります。

以前は摂食障害は、食べないでどんどんやせていく拒食症と、どんどん食べる過食症に区別されていました。しかし今では大量に食べても吐いてしまいかなりやせている人もいるため、区別が難しくなっています。それで「制限型、排出型というふうに分けるやり方も出てきています。(DSM-Ⅳとは、アメリカ精神医学会が作成した「精神疾患の診断・統計マニュアル」というもので、現在世界中で使われています)

標準体重の出し方(平田法)

  1. 身長160cm以上    (身長-100)×0.9 = 標準体重kg
  2. 身長150cm~160cm (身長-150)×0.4+50 = 標準体重kg
  3. 身長150cm以下    (身長-100) = 標準体重kg

「チーム医療としての摂食障害診療」診断と治療社(2009)より)

拒食症の診断基準(体重・症状など)

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☎ 06-6866-1510

福田俊一  精神科医 所長 (摂食障害専門外来 40年の治療歴)

増井昌美  過食症専門セラピスト(摂食障害専門外来 30年の治療歴)

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